ざっくりいうと
私の2台目の3Dプリンター、Creality CR-10S Proの情報です。
- 個人的には気に入っている
- オートレベリングとか、いくつかダメな点があるので導入は慎重に
- 工夫しながら使っています
私は積極的に情報を集めているわけではないので、自分で使っているなかで気付いた事を主に書きました。あまり使いこなしているとは言えないので大した情報はありません。何か情報がありましたら教えてください。
CR-10s Pro の良い点と悪い点
良い点
大きなサイズの造形ができる
最大造形サイズは 300×300×400mm と非常に大きいです。大は小を兼ねるということで、設置面積を確保できるなら、最大造形サイズは大きいに越したことはないでしょう。最大造形サイズクラスの出力にはめちゃめちゃ時間がかかると思いますが…。そのうちデカい物を出力したいです。
安価
たしか6万円くらいで買ったのですが、メジャーブランドでこの造形サイズのものですと、価格は何倍にもなります。このクラスで最も安価というわけではありませんが、安いと思います。
結構出力品質が良い
私は3Dプリンターは他に UP!plus2 しか持っておらず、出力品質について詳しくないのですが、ネットに上がっている他の3Dプリンターと比較しても、悪くないのではないかと思います。躯体がしっかりしていて、冷却ファンがそこそこ強いので、結構良い品質になっているのではないかな、と思います。
ノズルの最大温度が高め
ノズルの最大温度が260℃と高めなので、フィラメントによるかと思いますが、ポリカーボネートもギリギリ出力できそうです。
その他の良い点
エクストルーダーが強力。前に使っていた3DプリンターではPETGフラメントが滑ったりしていた。
ファームウェアのソースコードが公開されている。
無印CR-10Sと比較すると、コントロールボックスが一体化していて設置面積が小さい。
悪い点
悪い点も列挙します。購入を検討してる人は注意!
レベルセンサーがまともに使えない
かなり問題です。レベルセンサーの出力が温度によって変化して、実用的でないです。冷えているときと温まっているときで、1mmほど変化します。レベルセンサーをアップグレードしたCR-10S Pro も販売されているようです。センサーのアップグレードキットのようなものが販売されたら私も交換したいです。
とりあえず私は手動で高さ調節をしています。 手動調節の方法は別記事にしました。
ホットエンドが独自仕様
ホットエンドはMK7,MK8と呼ばれる一般的なものに非常に似ているのですが、ノズル・スロートのネジ穴がM6の細目(0.75mmピッチ)になっています。一般的にはM6の並目(1mmピッチ)を採用している場合が多いので、スペアパーツの入手性が問題になる可能性があります。
実はヒーターブロックを破損してしまい、スペアパーツが欲しかったのですが、Crealityのショップではノズルは販売しているもののヒーターブロックは販売しておらず、ホットエンド全体のパーツしか販売していません。また、非純正品で適合するヒーターブロックを見つけることができませんでした。(現在この問題に対処中で、パーツの到着待ちです。改めて記事にする予定です。)
CR-10s Proは黒歴史?
なんとなくなんですが、Crealityのスタンスとして、CR-10s Proは失敗作というか、黒歴史というか、ディスコン臭をそこはかとなく感じてしまうのは気のせいでしょうか…。
また、無印CR-10(s)とかEnder3に比べて販売数が多分かなり少ないと思うので、非純正のパーツなんかはあまり充実していないと思います。
プリント中のフィラメント交換は使えない?
プリント中のフィラメント交換は3回しかやったことないので、まだ情報が足りません。3回とも造形の継続はできて、1回はいい感じで印刷の継続ができましたが、2回は水平方向に1mmほどズレが発生してしまいました。継続の際にXY方向の位置合わせをやり直すのですが、その精度があまり高くない可能性があります。
大きい造形物を出力できるので、プリント途中でのフィラメント交換は必要度が高いです。今後、ズレの発生頻度や量を確認したいです。
CR-10S Pro を少し快適に使う方法
手動でレベル調節をする
前述のように、レベルセンサーの温度依存が高く使えないので、私はプリント毎に手動でレベル調節をしています。慣れればそんなに面倒ではないです。
手動調節の具体的な方法は以下の記事にまとめました。
ポリ袋をかける
プリント中に周囲の温度を保つため、嫌なニオイや有害物質を低減するために、ポリ袋をかぶせています。120リットルの厚手で透明なポリ袋をかぶせています。
スプールホルダーを変更する
付属のスプールホルダーには合わないフィラメントがあったので、スプールホルダーを自作しました。
スプールホルダーはひっくり返すことで、上下に位置変更できるようにしました。これによって、それほど大きくないものをプリントする際には、3Dプリンター全体の高さを低くできるようになりました。
フィラメント挿入口を工夫する
フィラメント挿入口でフィラメントが少し削れるので、ガイドをつけました。Thingiverse で入手したものです。
また、フィラメントを挿入する際に、途中の穴に挿しにくいので少し面取り加工をしました。
冷却ファンのダクトを固定する
冷却ファンのダクトのネジが緩んで、ダクトが下がり、造形物にぶつかってしまうことがあったので、テープでとめています。そもそもネジ1本で固定されているのが問題なので、複数のネジでとめるようなダクトをプリントして使用している方もいるようです。
ファームウェア
ファームウェアアップデートは USBケーブルでPCにつないで、Cura からできます。ただし、Screen Firmware というユーザーインターフェース用の画像などの更新には、裏蓋を開けて、ファームウェアを入れたmicroSDカードを基盤に挿入する必要があるようです。
今確認したところ、自分の CR-10S Pro には、1.70.1 というバージョンを入れているのですが、現在 Creality が公開しているのは少し古い 1.60.7 というものです…。何か問題があり、戻された可能性があります…調査中です。 (先日、改めて確認したところ、最新版が1.70.1に戻っていました。内容も完全に同じでした。)
また、試していませんが、「Tiny Machine 3D」など 公式でないファームウェアも存在します。
Economic
印刷中の「Adjust」メニュー内にある、「Economic」がオンになっていると、しばらくプリントが進んだ後、ヒートベッドの加熱を停止します。私の環境ではデフォルトでオンになっていました。
私は内部温度を保ちたいのと、ベッドと印刷物の定着を強く保ちたいことから、オフにしています。
他の工夫
私はやっていませんが、以下のような工夫をしている方がいるようです。
- メインボードのファンがうるさいので、交換する
- 冷却ファンを強力なものにする。ファンダクトを変更する。
- ケーブルガイドをつける
- …etc.
終わりに
他にも情報などありましたら、ぜひ知らせてください。
更新履歴
2020.01.29 公開
2020.03.20 ファームウェアについて修正。ホットエンド・黒歴史について追加。細かい修正。
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